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PINKOI完全ガイド|台湾EC出店の基礎知識と市場分析

2026 1/22
台湾進出
2026-01-22
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こんにちは、Tommy’s factoryの大野です。台湾を拠点に日本企業の台湾ビジネス展開をサポートしている私が、今回はアジア最大級のデザイン特化型ECプラットフォーム「PINKOI(ピンコイ)」について徹底解説します。台湾市場への展開というと、多くの方がSHOPEEやmomoを思い浮かべるかと思いますが、デザイン性の高い商品やハンドメイド作品を扱う事業者にとって、PINKOIは絶対に見逃せないプラットフォームです。

前職の台湾赴任時代から今日まで、台湾現地ではデザイナーやクリエイターが週末開催されるマーケットや、華山、松山の文化地区でのイベント、そしてPINKOI開催のイベントで販売している様子を目の当たりにしてきました。PINKOIは価格競争に巻き込まれず、ブランドストーリーで勝負できることが最大の魅力です。

目次

PINKOIとは?台湾発デザイン特化型ECプラットフォームの特徴

PINKOIの基本情報とプラットフォーム概要

PINKOIは2011年8月に台湾・台北で設立された、デザイン特化型の越境ECプラットフォームです。「Design the way you are.(自分らしいデザインで)」というスローガンのもと、世界中のデザイナーと消費者を直接つなぐことをミッションとしています。

特徴なのは、出店が完全審査制であること。誰でも出店できるわけではなく、商品のデザイン性やクオリティがPINKOIの基準を満たす必要があります。この審査制が、プラットフォーム全体の品質を保ち、「PINKOIで買えば間違いない」というブランドイメージを確立しています。

PINKOIの基本データ(2026年1月時点)

項目データ
設立年2011年8月
本社所在地台湾・台北市
海外拠点東京、香港、バンコク、上海
会員数625万人以上
出店ショップ数50,000店以上(審査制)
商品数230万点以上
出店ブランド国77カ国
発送対応国150カ国
越境取引比率80%
アプリDL数430万回以上
App Store評価4.9点/5.0点

出典: PINKOI公式サイト

手数料体系と出店コスト

Pinkoiの手数料体系は非常にシンプルで、月額固定費が不要なのが大きな特徴です。※特別プログラム参加時は手数料優遇あり(例:文具ブランド向けプログラムでは4.5%に優遇)

項目金額
月額固定費無料
販売手数料15% + NT$15(約58円)/件
初期費用無料
振込手数料Pinkoi公式ヘルプは銀行振込 NT$45/件、Payoneer NT$90/件

対応言語・通貨・決済方法

Pinkoiのグローバル展開における強みは、多言語・多通貨対応にあります。出店者側も管理画面が日本語対応しており、商品説明も日本語で入力すれば自動翻訳機能が補助してくれます(ただし、重要な箇所は専門家による翻訳を推奨)。決済方法も、クレジットカード対応しており、購入者が支払った代金はPinkoiが一旦預かり、取引完了後7日後に売上計上、翌月20日に指定口座へ振込という流れです。

対応言語対応通貨
繁体字中国語(台湾)TWD(台湾ドル)
簡体字中国語(中国)CNY(人民元)
日本語JPY(日本円)
英語USD(米ドル)
タイ語THB(タイバーツ)

出典: Pinkoi ヘルプセンター – 売上処理について

Pinkoiの客層とプラットフォームテーマ|なぜデザイナーに選ばれるのか

ターゲット客層の詳細分析

Pinkoiのメインユーザー層は20-40代の女性が中心で、デザイン感度が高く、価格よりも「世界に一つだけのもの」「ストーリーのある商品」を求める層です。購入の60%がギフト目的という点です。誕生日プレゼント、結婚祝い、出産祝い、バレンタイン、クリスマスなど、「特別な日に特別なものを贈りたい」というニーズが非常に強いんです。

属性データ
メインターゲット年齢25-40歳
性別比率女性70%、男性30%
地域別構成台湾40%、香港20%、日本15%、その他25%
平均客単価NT$800-2,000(約3,200-8,000円)
リピート購入率約55%(業界平均より高い)
購入動機ギフト60%、自己表現30%、サステナビリティ10%

SHOPEEとの違い

台湾の主要ECプラットフォームであるSHOPEEとPinkoiの違いを整理してみましょう。

Shopeeは台湾で今一番ユーザー数が多いECサイトです。日本のAmazonと楽天だと思って頂いて差支えないです。なのでこのSHOPEEでも越境ECができるので台湾へECで市場を広げるならば「SHOPEE」で始めることに間違いはないです。ユーザーとしても「安く買いたい」層がメイン。フラッシュセールや送料無料キャンペーンで客を集め、価格競争が激しいプラットフォームです。

一方Pinkoiは、シェアがTOP5に入るか入らないかの位置ですが、プラットフォーム自体のテーマが決まっており、「このデザイナーの商品だから買いたい」「この商品に込められたストーリーに共感したから買いたい」というターゲット層が商品購入をする動機がはっきりしている場合が多く、価格競争に巻き込まれにくいんです。

項目PINKOIShopee
ポジショニングデザイン特化価格重視
主要客層25-40代デザイン志向10-30代価格重視
平均客単価NT$800-2,000NT$300-800
販売手数料15% + NT$159-12%(トータル)
月額固定費無料無料
審査基準厳格(デザイン性重視)緩い
ギフト需要非常に高い低い
越境対応強い(80%が越境)東南アジア中心
特徴ハンドメイド・デザイナーズ商品フラッシュセール

「デザイン」「ギフト」「ハンドメイド」に強い理由

上述にあるように、Pinkoiがこれらのカテゴリーに強くプラットフォーム設計が明確になっています。

  1. 商品ページが「作品紹介」の場
    Shopeeやmomoは商品スペックと価格が中心ですが、Pinkoiは作り手のストーリー、制作過程、素材へのこだわりなどを丁寧に伝えられる設計になっています。
  2. ギフトラッピングオプション標準装備
    ギフト需要が高いため、ほとんどの出店者がギフトラッピングオプションを提供しています。これが「ギフトを買うならPinkoi」というイメージ形成につながっています。
  3. デザイナー紹介機能
    各ショップページに「デザイナーについて」「ブランドストーリー」を掲載でき、ファンを作りやすい設計です。
  4. オフラインイベントとの連動
    後編で詳しく紹介しますが、「Pinkoi Design Fest」という大規模なオフラインイベントを年に数回開催しており、オンラインとオフラインの相乗効果を生んでいます。

取扱商品カテゴリーと日本人出店者に有利な分野

Pinkoi主要カテゴリー一覧

Pinkoiでは、おおむね以下のカテゴリーで商品が分類されています。それに合わせて日本人の作家さんの商品傾向が、どのカテゴリーに適しているか見比べられるかと思います。

PinkoiはECプラットフォームですが、実際台湾では台湾のハンドメイド作家が参加できる実店舗、週末イベントや展示会などが多くあり、そこから作家さんのPinkoiの商品ページや、自社ECサイト、Facebookページ、Instagramへと集客をしていくというのがスキームとしてあるように見えます。

カテゴリー代表的な商品例日本人出店者の強み
アクセサリーピアス、ネックレス、リング✓ 繊細な金属加工技術
バッグ・財布レザーバッグ、がま口財布✓ 高品質な革製品
ファッションオリジナルTシャツ、着物リメイク✓ 和柄・伝統技術
文房具マスキングテープ、スタンプ✓ 文具大国としての実績
ホームデコ陶器、インテリア雑貨✓ 伝統工芸品
キッチン用品食器、弁当箱✓ 機能美・実用性
アートイラスト、版画✓ 独特の美意識
おもちゃ木のおもちゃ、知育玩具✓ 安全性・品質
ベビー・キッズ子供服、ベビー用品✓ 安心安全な素材
ペット用品首輪、ペット服✓ きめ細かいサイズ展開
食品日本茶、和菓子✓ 本場の味
植物・園芸多肉植物、盆栽✓ 盆栽文化
ウェディング招待状、リングピロー✓ 繊細なデザイン
ビューティーオーガニックコスメ、石鹸✓ 自然派・職人技
3C・デジタルスマホケース、PCアクセサリー✓ 機能性とデザインの両立
サービスオーダーメイド、ワークショップ✓ 丁寧な対応

出典: Pinkoi公式サイト – カテゴリー一覧

日本製品が人気の理由と売れ筋カテゴリー

台湾では「日本製」「日本デザイン」というだけで一定のプレミアムがつきます。特にPinkoiのユーザー層は日本文化への理解が深く、以下のカテゴリーで日本人出店者が強みを発揮しています。近年「消耗品よりも、長く使い込みたいもの」という価値観が広がってサステナブルな商品や、若い世代が日常使いできる伝統工芸商品、それからオーダーメイド、カスタマイズなどパーソナライゼーションができるものが人気です。

カテゴリー人気の理由
文房具日本の文具は世界トップレベル。マスキングテープ、手帳、万年筆などが特に人気
アクセサリー繊細な金属加工、天然石の組み合わせ、和テイストのデザイン
陶器・食器有田焼、益子焼などの伝統工芸品。日常使いできる器が人気
バッグ・革製品栃木レザーなど高品質素材。機能性とデザイン性の両立

主要ECプラットフォームのシェア比較

2023年の台湾ECで消費者が常に利用していると回答したデータのランキングで以下の通りです。PINKOIのシェアは29.8%程度と、Shopeeやmomoと比較すると小さいですが、もともとハンドメイドカテゴリー自体は量産的でも大衆的でもなく「ニッチ」なものなので、「デザイン性の高い商品」「ハンドメイド作品」という特定セグメントでは圧倒的な存在感ととらえていいと思います。

台湾EC市場利用率ランキング(2023年データ)

ランキングプラットフォーム利用率特徴
1位Shopee(蝦皮購物)91.1%価格重視・東南アジア連動
2位momo購物網75.7%総合ECモール・配送力
3位PChome 24h71.1%24時間配送が強み
4位ブランド自社HP64.2%老舗モール
6位PINKOI29.8%デザイン特化

Pinkoiのニッチ戦略とブルーオーシャン性

Shopeeやmomoがレッドオーシャンであるのに対し、PINKOIは明確に「ブルーオーシャン戦略」を取っています。この戦略により、「安く買いたい人」はShopeeへ、「特別なものを探している人」はPINKOIへと自然に棲み分けができています。

戦略要素詳細
ターゲット顧客の絞り込み価格重視層を捨て、デザイン重視層に特化
審査制による品質担保誰でも出店できない→プラットフォーム全体の質が高い
越境EC前提の設計最初から多言語・多通貨対応
オフライン連動Design Festなどのリアルイベントでブランド体験
デザイナーコミュニティ形成単なる販売場所ではなく、デザイナー同士の交流の場

Pinkoiの東南アジア・グローバル展開とイベント展開

香港・タイ・日本・中国への事業拡大

PINKOIは台湾発のプラットフォームですが、現在はアジア各国に拠点を持ち、グローバル展開を加速しています。特に香港市場は購買力が高く、1取引あたりの平均客単価が台湾の1.5-2倍になるケースも多いです。私がサポートしている革製品ブランドでは、台湾での平均客単価がNT$2,000(約8,000円)なのに対し、香港ではHK$800-1,200(約15,000-22,000円)と高額商品が売れています。

国・地域拠点開設年市場特性主要ユーザー層
台湾2011年(本社)デザイン志向強い20-40代女性
香港2014年高所得者層多い25-45代女性、購買力高い
日本2016年(東京)自国の商品も販売30-50代女性、アジア雑貨好き
タイ2017年(バンコク)成長市場20-35代女性
中国2015年(上海)巨大市場だが規制あり25-40代中間層

出典: Pinkoi About – 会社概要

台湾市場でのイベント展開とオフライン戦略

PINKOIは台湾国内でも積極的にオフラインイベントを展開しており、オンラインとオフラインの相乗効果を生み出しています。Pinkoiに限らず台湾ではイベントや展示会は毎年同じ時期に行われるので、概ね先の出品を検討したい場合は予定が立てやすいかと思います。

「Pinkoi 品品節」は2025年に初開催され、大成功を収めたイベントです。松菸(松山文創園區)という台北の文化発信地で、春の3日間限定で開催されます。Design Festよりも小規模ですが、出店費用も抑えられ、台北の若年層デザイン志向ユーザーが多く訪れるため、初めての台湾出店には最適なイベントです。

イベント名開催頻度会場
Pinkoi Design Fest 瘋設祭年1回(11月)圓山花博爭豔館
Pinkoi 品品節(春季市集)年1回(4月下旬)松山文創園區(松菸)
Pinkoi Market 快閃店不定期(年3-4回)華山1914、誠品書店、MAJI集食行楽
Pop Up Asia(協賛)年1回(11月)松山文創園區

出典: Pinkoi公式 – 品品節2025 / Harper’s Bazaar – Pinkoi春日市集

PinkoiのEC事業の成長と投資戦略

PINKOIは2015年にシリコンバレーの著名VC「Sequoia Capital(セコイア・キャピタル)」から900万ドルの資金調達を受け、グローバル展開を加速しました。さらに2024年からは「Pinkoi for Business」をリリースして、企業がPINKOIの商品を大量注文できるB2Bサービスで、企業のノベルティやギフト需要を狙った新しい展開として注目されています。

PINKOIの投資・成長履歴

年イベント内容
2011年創業台北でサービス開始
2015年シリーズA調達Sequoia Capitalから900万ドル調達
2016-2017年海外拠点拡大香港、タイ、日本に拠点設立
2022年IPO準備報道台湾での上場準備との報道(未確定)
2024-2026年B2B事業開始法人向け大量注文サービス「Pinkoi for Business」開始

出典: Pinkoi


まとめ

  1. PINKOIはデザイン特化型ECプラットフォーム
    審査制、625万会員、50,000店、230万商品、越境取引80%
  2. ターゲット客層は25-40代のデザイン志向女性
    購入の60%がギフト目的、平均客単価NT$800-2,000
  3. Shopeeとは完全に異なるポジション
    価格競争ではなく、デザイン・ストーリー・品質で勝負
  4. 日本人出店者に有利なカテゴリーが明確
    文房具、アクセサリー、陶器、革製品、食品が特に強い
  5. 台湾EC市場でニッチながら強固なポジション
    シェア29.8%だが、デザイン分野では圧倒的存在感
  6. アジア全域への展開を加速中
    香港、タイ、日本、中国に拠点、日本でもオフラインイベント積極展開

Tommy’s factoryでは、2026年より自社でもPINKOIにセラーアカウントを作成し、日本の作家さんやブランドの商品を台湾市場へ展開していく予定です。すでに台湾でのEC販売実績とネットワークを活かし、PINKOIというプラットフォームを通じて、より多くの日本のクリエイティブな商品を台湾のお客様にお届けしたいと考えています。

SHOPEEをメインとした「内製化コンサルティング」を基本方針としていますので、つまり、作家さんやブランドご自身がPINKOIアカウントを運営できるようになることを最終目標としています。ただカスタマー対応や初期段階での市場テスト、商品制作に集中するのための販売業務は委託などでご相談があればご連絡をお待ちしております。

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この記事を書いた人

Tommyのアバター Tommy

多蜜創意商貿工坊(Tommy's factory)
代表 大野 亨
浙江省で営業を始め、貿易及び物流事業/飲食/システム5年、台湾では2年新規事業立上げでEC/クラウドファンディング/WEB広告/通訳翻訳/営業を経て独立。大陸、台湾、日本と経験をもとにコンサルを行っています。

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